SP変遷 その22007/09/17

Victor SX-511

Victor SX-511

http://page.freett.com/knisi/sx-511.html

大学を卒業して就職。完全に自分の金で買ったSPがVictor SX-511(SPスタンドは未購入)です。1台¥69,800-のCORAL X-Ⅶから、¥59,800-のVictor SX-511にグレードアップ(?)したのです。

価格的にはダウンですが、私の印象から言うと、この当時の598のSPは、ものによっては少なくとも1台20万円程度のSPまでもカバーしていたと思います。大げさな、と思われるかもしれませんが、この時代を体験した方ならご理解いただけると思います。

さて、Victor SX-511ですが、このSPの音調は私の嗜好のベースともなるべき鳴り方のSPだと確信します。YAMAHA NS-1000Mは憧れにすぎないSPだったと思います。

それを実際に確認したのは、約2年ほど前にヤフオクでかつての憧れのSP、YAMAHA NS-1000Mと、Victor SX-511を同時期に落札して、聴き比べたことがあります。両者とも程度のよい上物を揃えたつもりです。

10代後半に憧れていながらも諦めた1000Mと、20代前半に購入して聞き込んだSX-511、約20年後に聞いた印象はいかに。

SP以外の機器は、ほぼ今現在のもので、TAOCの20cm高のSPベースにのせて聞き比べてみました。それぞれ1日交替で約1週間鳴らしこんでからの試聴です。思い入れの深いSP同士なので慎重にやろうという配慮がありました。

その結果、中高域はYAMAHAのほうが鮮明かつ繊細、いい感じでした。ただし、低域はボソッとした鳴り方でもう少し深みがあるといいと思いました。                                              Victorの中高域はそれほど冴えない、でも弦楽器などのマスの鳴り方はYAMAHAよりかなり優位。中高域の爽やかさはYAMAHAか。ただし決定的に違うのは低域の弾力感、中低域の豊潤さ、そして、全帯域トータルの緻密さです。

単純にかつ極端にいえば、YAMAHAは各ユニットは素晴らしいが、トータルバランスはややバラバラで、乾燥気味といった感じ。Victorは素晴らしいユニット、キャビネット、ネットワークなどをおごり、さらにトータルに音決めをしている。何かSP全体が有機的につながっている感じかな。

この聞き比べで私は確信しました。私の選択は間違っていなかったのだと。機器などで測定すると、周波数特性はYAMAHAのほうが勝っているのかもしれません。なんたってモニターSPですから。でも、音楽的にはVictorだと私は確信しました。この両SPは、よ~く鳴らしこんだ後、1ヶ月ほどで他家へ嫁いでいきました。

Victor SX-511との付き合いは今のところ一番長く、約7~8年でした。1台598のSPですが、素晴らしい鳴り方のSPでデザインも私好みでした。

今の自分なら、このSX-511をもっとうまく鳴らしこんで満足のいく再生も可能なのかもと思いますが、当時の私はこんな素晴らしいSPを手に入れつつ、さらに次のSPを物色しつつあったのです。

SX-511をこれで完全に鳴らしこんだと天狗になっていた自分が、偶然あるSPを耳にして、ハッと思ってしまったのが運のつきです。次のSPは、メーカーはメジャーながら、製品としてはマニアックでいま一つパッとしなかったSPです。Webでもあまり見かけません。それは、国産ホーン型2WaySPです。そんなに目立ちませんでしたね。

でも、過去のSPで、どれを一番鳴らしこんでみたいかといえば、このSPだと思います。今の部屋ではこのSPがベストバランスだと思います。

そう、ホヤウーファー+セメントホーンSPですよ(^^)