SP変遷 その12007/09/11

CORAL X-Ⅶ

CORAL X-Ⅶ

http://www.niji.or.jp/home/k-nisi/x-7.htm

オーディオ機器の変遷などは、オーディオを趣味とする者ならば必ずあるのは周知のことで、それが楽しみでもあります。私もオーディオ歴約30年の間には、当然数限りない遍歴がありました。

その中でもオーディオ再生で最も重要かつ存在感の大きいスピーカー(SP)の変遷を、数回に分けて紹介したいと思います。どの機器を選択するにしても、常に再生に関しては貪欲な上昇志向、そして対投資効果優先で突き進んできました。(最近はそうでもないのですが(^.^))

私がオーディオに関心を持ち始めたのは、たぶん中学入学前にPIONEERのラジカセを買ってもらったころからだったか。それは普及価格帯よりちょっとだけマニアックなラジカセで、カセットテープのポジション切り替えも3段階ありました。それがうれしくてせっせとFMエアチェックをして、各社のカセットテープの音調を聴き比べたりしていました。TDK、MAXELL、SONYを筆頭に各社数限りないテープがありましたね。SONY DUADなんていう高級テープもありました。あー、カセットテープだけでも一晩語りつくせそうです。これがそのころの私のHiFiでした。あぁ、懐かしい。

そのころは、世の中が三種の神器の贅沢版としてセパレートオーディオセットに関心が高かった時代でした。そのころ出版されていたオーディオ雑誌やマガジンは数限りなくありました。何たって「週刊」で発刊されるマガジンが3~5誌ありましたから、その時代のオーディオの勢いは本当に熱かったのです。そして、私も生来の音楽好きだったので、時代の波に順調にのまれていきました。

私が本格的にオーディオにのめりこんでいったのは、中学2年時に親に拝み倒して買ってもらったPIONEERのシスコン(システムコンポーネント)からでした。LPプレーヤー、チューナー、プリメインアンプ、カセットデッキ、スピーカー、ラックがセットで定価25万ぐらいだったか。まあ、見栄えは立派でした。今思うと、各機器おもちゃみたいな作りで、ひどい再生だったと思います。でも、とにかくラジカセとは全く次元の違う迫力満点の鳴り方にはしびれました。

さらに、同時期、近所の友人の兄のオーディオシステムを聞いたとき、「あぁ、うちの音とは格段に違う。音も違うが、デザインもいい!」と、上級機器への憧れも芽生えてきました。そのシステム全部は詳しく覚えていないのですが、YAMAHA主体のシステムだったと思います。SPは型番まではっきり覚えています。YAMAHA NS-690でした。このSPは音もさることながら、おしゃれな白木で、私のパイオニアのシスコンとは一線を画したデザインでした。イヤフォンはSTAXで(型番は忘れました)、これも素晴らしくいい音でした。SPとは趣を異にする再生ですが、このイヤフォンはそのころの私を虜にする美音に満ち溢れていました。

その後、オーディオマガジンを頼りに、高校の時にプリメインアンプをSANSUIに、カセットデッキをSONYに、価格的にはほんのちょいとのグレードアップ。大学入学後に、やっと念願のSPのグレードアップを果しました。迷いに迷って、結局上記写真のCORAL X-Ⅶに変更しました。

本当は、YAMAHA NS-1000Mに憧れていました。かつての憧れSP、NS-690のインパクトを引きずっていたのかもしれません。ややYAMAHA信仰みたいなものもあったのでしょう。しかし、1000Mは当時の私には手が届かない価格でした。そこで、そのころ1000Mに匹敵する性能ともっぱらの評判のX-Ⅶにしたのです。これでもかなりの大決断でした。でも、今思うと、欲しいものは無理してでも買うべきでしたね。

X-Ⅶは、やや淡白な鳴り方ながらも性能的にはかなり優秀だったと記憶しています。「これがモニター調なんだなー」などと1人悦に入っていました。とにかく、パイオニアシスコンのSPとは比べようもないくらいの鳴り方で感激しました。X-Ⅶとは主に大学時代の4~5年の付き合いでした。

さて、そのころは「SP598戦争」の時代でした。各社59,800円のSPを一斉に販売していたのです。値引きを考慮に入れると、いったい採算がとれるのかという素材と作りでしのぎを削っていました。

私はこのあと、69,800円のX-Ⅶから598のSPに変更するのですが、598ブックシェルフSPの中でこれこそ最高と判断し、購入したSPとは、さて何でしょう?・・・まあ、数が多すぎて分りませんよね。

ちなみに多くの方が想像されるDIATONEではありません。DIATONEは音そのものは目を見張る高性能ぶりなのですが、音楽を聴くと不思議なことにあまり満足感がありません、がヒントとなりますかね。

ちょっと長くなったので、その答えは次回にしましょう。